エレコラ

鬼畜エレファントカシマシファンJohnnyによる音楽コラム。



3rd Album "浮世の夢" (日本語版)

こんばんは😁鬼畜エレファントカシマシファンのJohnnyです。

 

今宵は、過去にTwitterで行なっていた企画「エレカシ全曲解説」。3rd Album "浮世の夢"(1989)をお届けいたします。 

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全曲解説を始めたキッカケは、自分の勉強の為が1番あったのですが、音楽雑誌をよく読んでいた関係で、アーティストさんや、ライターさんの楽曲の解説を読んで曲を聴くと、また違った角度で聴けたし、新鮮で、違う解釈も出来るようになったので、始めてみました。人それぞれ感じ方は違うので、あくまでも自分の視点、いちファンによる解説です。それぞれ、100通りの聴き方で良いかと想います。オレはオレが感じた正直な想いをこれからもTwitterや、ブログで発信していきたいと想います。あ、一番最後に、このアルバムの改めてディスクレビュー載せてます。 

 

では、浮世の夢を一緒に見ましょうか…エビバデ。

 

3rd Album "浮世の夢" 全曲解説

①「序曲」夢のちまた

そう来ましたか…といい意味で期待を裏切られた3rdアルバム一曲目。日本的な情景描写が美しい作品。「不忍池」は、かく語りきでミヤジが紹介したお気に入りの場所。'09野音DVDでは力強く、2012年、野音ではファルセットが美しい。

 

②うつら うつら

未だ嘗て、ベランダに飛んでくる雀の可愛さを唄ったロック歌手が居ただろうか。宮本ワールド炸裂のこの曲は、一気に憂鬱と果敢なさを連れてくる。山の上からの景色など、景観が変化するが、最後は自部屋に戻るのがミヤジらしい。

 

③上野の山

「花見なんぞのどこがいい」と桜ディスりはこの頃から始まってます(笑)でもその後、「何やら少しさわぎたく 俺も花見に入れとくれ」と言ってます(ツンデレ)。唄い方はロックだが、地名や季語が入りメロディからも、演歌を感じる作品。

 

④GT

「GT」はグランツーリスモ(長距離を快適に走る車)の略。当時ミヤジは免許を持っていなかったので、成ちゃんの車がモデルか。作詞:成ちゃん/ミヤジ。作曲:成ちゃんと、成ちゃんが関わる今では珍しい作品。野音でのイメージ。4枚目シングルのC/W。

 

⑤珍奇男

「笑ってもらえれば、よし!」と'99にミヤジより発言あり。男椅子に座って唄い珍奇男を"演じる"ライヴでの宮本浩次は、もはや、エレカシ名物。有吉弘行さんが高校の時からエレカシの大ファンで「エレカシといえば珍奇男」とラジオで語る。

※補足:当時、Twitterでこの「珍奇男」の解説をUPしたその日の夜、有吉さんの生放送のラジオで、「珍奇男」かけてくれて、アカペラも披露してくれました(笑)ちなみに、Johnnyの音楽文を有吉さんにリプライした週に、またラジオで「桜の花、舞い上がる道を」をかけてくれて、そーとー感動したJohnnyなのであります。有吉さんマジでカッケエ。

 

⑥浮雲男

男シリーズ第5弾。30周年のインタビューで「この曲はかなり気に入ってて、ベスト盤に入れたかった」と語るミヤジ。昔は1日100本煙草を吸うのがザラで、その自身の姿を「浮雲男」と表現している。2018年3月18日「夢の競演」でSpitzが同曲をカバーした。

 

⑦見果てぬ夢

前奏が「優しい川」と酷似しており、ミヤジの手グセ?好みのコード進行と考える。優しく始まるので、イヤホンの音量を上げていると、サビで耳がとんでもない事になるので注意(笑)「人の思いは十人十色 やさしき言葉かけるもいい」詩人ミヤジ降臨。

 

⑧月と歩いた

この曲の表現力は素晴らしい。散歩する人と、ドライブする人が歌詞とサウンドで表現されている。何で「君と歩いた」じゃないの?と聴かれ「だって月と歩いたんだもん」とミヤジ。何処までも音楽に真っ直ぐで誠実。嘘のない曲を作る人。

 

⑨冬の夜

「日常生活の中で、一瞬、ホッとする、そうゆう瞬間」を唄ったとミヤジ。ギター弾き語り収録されており、改めて聴くと普遍的で心に沁み渡る。ロックというよりフォークに近い孤独と哀愁。2番の「冬の匂いと」の部分でミスコードが採用される。

 

【浮世の夢】

渋谷さんから「酔っ払いの鼻歌化が進行」と表現された作品は、当時、よくリリースされたなと想うほど、ミヤジ色が強い、商売っ気無しの作品です。しかし、日本的な要素取り入れながら、嘘なく作られたこの曲は28年たった今、聴く人の心に響く作品です。

 

 

エレカシいち芸術的な作品"浮世の夢"

ちょっと、また長くなります。改めてディスクレビュー!パチパチ!久しぶりに通しで聴いた。うん、すごいアルバムです。エレカシに関しては「ハズレ」が本当にない。改めて感じました。まずは、1st、2ndからの振れ幅を考えると、同じ人が作ったとは想えない(とてもいい意味で)。この才能を当時の人はどう捉えていたのだろうか?オレはエレカシの「エ」の字も知らない未就学児でしたが(笑)

 

1stや、2ndの衝動や熱量を求めていたリスナーからすると、物足りなさを感じた人もいたのだろうか?どうだろう。オレは、エレファントカシマシってゆーバンドの凄さは、誰も理解し得ないと想っている。それは去年の野音で想った。なんか、別次元なんです。頭で理解できる範疇を超えてまさしく「宇宙」という言葉が相応わしい。

 

話は逸れたけど、当時のインタビューを振り返って見ると、やっぱりエレカシ4人とも自分の作品に凄く自信を持ってる。「何で世間はわからないのか?4人だけには解ってんのに、理解されない」みたいな…。「音(バンドサウンド)が訴えかけてこなかった」って渋谷さんは言ってるんですけど、うーん。オレはそうは想わなかった。

 

「上野の山」とかあれ、どーやって合わせてるのか不思議で仕方ない。しかも、カウントインとか、ドンカマ使わずに、せーのでやってたなんて言うもんですから、度肝です。「珍奇男」もドーンとサウンド入ってくるし…。初期は特にトミさんのスネアの音とか、何だか、凄いんです。成ちゃんのベースも。ミヤジ先生がギターを弾いてなかったから、もちろん、石くんのギターも光ってるわけで。4人がそれぞれの役割を忠実に、1として存在してるのは初期の作品では、この3rdまでとも言えると想います。だから、サウンドはしっかり鳴ってる。ミックスダウンとか、マスタリングとか、RECの方法だけ変えれば、サウンドに関してはもっと伝わったかもしれないなーと想いました。

 

ソングライティングに関しては、これ、コンセプトアルバムとして考えても良いんじゃないかとオレ、想うのです。1曲目が『「序曲」夢のちまた』と題されいるし、作品全体としてはテーマが一貫してる。「自部屋」とか「散歩」、「東京の町並み」が、どの曲からも感じられます。

 

参考までにですが、Johnnyは共感覚があり、これはみんながみんな持っていると想って居たのですが、ジョニレポが余りにも詳細なので、録音してるんじゃないか?って怪しまれ(笑)自分は音やMCを映像化して記憶してるんです。これみんなやってると想ってましたが、違うみたいです。

 

この、音楽を聴いて感じる映像ってのは、エレファントカシマシの場合、凄く精密に出てくるので毎回驚くんですが…(鹿児島でくっきり見えた東京ドーム)。本当にいろんな音楽に触れてるけど、エレファントカシマシほど映像が浮かぶロックバンドってあまりいないんです(歌無しのインストの方が浮かびやすい)。

 

自分は一時、病気により音楽が聴けなくなり、そしてエレカシがキッカケで聴けるようになりました。だから、音と、脳に関しての文献は、かなり読み漁ったんだけど、わかんないことも多いです。なぜか、自分の脳みその、ちょうど良い部分に、刺激を与えているやうです。それなりに、宮本浩次に歌声に関しては、色々分析したりもしてみました。→第2回 聴こえないものが聴こえる声 - エレコラ

 

で、"浮世の夢"に関して自分に浮かんだ映像なんですけど、「精巧な風景画を飾っている美術館を、順序通りに歩く」という映像が浮かんで……アルバムを通して聴くと、今回は映像でなく違う音楽も流れてきたのです。その曲がこれ。

 

『展覧会の絵』はムソルグスキーが、友人であったヴィクトル・ハルトマン(ガルトマンとも)の遺作展を歩きながら、そこで見た10枚の絵[1]の印象を音楽に仕立てたものである。

展覧会の絵 - Wikipediaより

 

これは「歴史」という曲を聴いても毎回浮かぶんですけど、まさにオレが見た映像と、この曲の内容が合致したわけで。やっぱコンセプトアルバムとしての捉え方でもおかしくないなぁと想ったわけです。

 

"浮世の夢"は1曲1曲が、精密な風景画なんです。この、瞬間を切り取る宮本浩次のソングライティングってのは本当に凄い才能なんです。そして、ある程度「感覚的」に作れている(あ、天才)。そして、その才能を理解しているメンバーは、その曲に合った相応わしい音を表現してる。本当にこれは凄い。1番の理解者が直ぐそばに居てよかった!

 

4人にとっては曲を表現する上での音を、当たり前に鳴らしてるだけで、4人が共有している絵が同じだから、なんの疑問も抱かないというか。「バンドサウンドが訴えかけてこない」って言われても「???」ってなるのは当然なんだと想うのです。この曲たちに必要な音は、これしかないんだもんっていう…。だって、「ベランダに飛んでくる雀の可愛さ」を歌った曲が、ゴリゴリのバンドサウンドだったらおかしいだろ(笑)

 

そして、このアルバムの最後は「冬の夜」という曲で終わりますが、この曲を聴いて最初に浮かんだのが太宰治「人間失格」の最後の一節だった(以下、引用)

 

いまは自分には、幸福も不幸もありません。

ただ、一さいは過ぎていきます。

自分がいままで阿鼻叫喚で生きて来たいわゆる「人間」の世界において、たった一つ、真理らしく思われたのは、それだけでした。

ただ、一さいは過ぎて行きます。

自分はことし、二十七になります。白髪がめっきりふえたので、たいていの人から、四十以上に見られます。

 

ミヤジ先生はある程度、この太宰治「人間失格」における最後のメッセージのように、"浮世の夢"に、ひとつの作品として何かを置いて、世に生み出したのではないかと捉えてみました。(以下、冬の夜の歌詞転機)

 

遠すぎて 星も見えず 目を下にやれば
キラキラとビルのひかり 明るくてきれい

冬の匂いと 北風のなか
固い地面 枯葉踏んで 家についた

かじかんだ 手足の休む 部屋は暖かで
暗い部屋 電気をつけた 明るくなった

風呂の中 口笛吹いた 誰かの歌よ

冬の匂いと 北風のなか
固い地面 枯葉踏んで 家についた

 

これ全く違う文章ですが、オレには同じこと言ってるように感じるんです。共感覚的な話ですが、文字から同じ感情を読み取れます。

 

本当のことなんて誰にもわかりませんが、Johnnyの独断と偏見で言えば、この"浮世の夢"って作品は、当時の宮本浩次の日常の風景を、精密に切り取った楽曲群を、4人で表現できるところまでやりつくして、見事に形になった、エレカシ史上、最も芸術性の高い作品だと想います。

 

単なる、ロックのアルバムでなく、これは日本語でのロックにおける表現としては最高峰であり、これを今作れるフロントマンも、バンドも居ないなあと想います。音楽なのに耽美な風景画なんですよね。この楽曲群を、今のエレファントカシマシが演奏したらヤバイっすよ!野音で腰抜かせエビバデ!!フルボッコにされて来いって想うわww(マジで野音はスゲー!)

 

RADWIMPS以降くらいからか、歌詞の情報量が多いほど格好良く取られてきて、もう、何て歌ってるかわかんない感じのレベルで「話してる」音楽や、「ストレス解消の装置」や「スイッチ」と化してる音楽がどんどん支持されてきて……いやあ、RADWIMPS好きですよ(初期)。

 

もちろん!オレもそーゆー音楽も好きでめっちゃ聴くし、ライブにも行くんだけれども……やっぱり、日本の芸術的なロック音楽の作品として、1枚1枚がそうゆう意味で本当に優れているバンドや、アーティストは、少ないように感じる。

 

消費される音楽が増え、語り継がれる音楽が減っている。

 

大昔は、口承で古事記や万葉集が伝えられ、現代まで伝承されてきたように、本当に残るものは何だろうといつも考えます。レコーダーや精密機械や、CDやパソコン、データも全部、全部、無くなった後に残るのは、本当はものすごくシンプルなものなのかもしれません。

 

 

 

とにかく、「浮世の夢」まだ、聴いたことない人は聴いてみてください(笑) 

 

 

 

Johnny😁

 

 

 

浮世の夢

浮世の夢

 

 

  

 P.S.

そんな日本の素晴らしい音楽を、世界一の歌唱力とそれを包み込むバンドが伝承。エレファントカシマシがゲスト出演するの最高の番組、The Coversが5月25日(金)に放送です。是非、ご覧ください。また、同日にエレファントカシマシの超弩級に格好いい新曲【Easy Go】が先行配信されますので、DL宜しくお願いします😃

 

  

 

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